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い位置に、肢体不自由者が出入りしやすいよう配置されていることが望ましい。特に車椅子使用者の乗降を考慮したプラット・ホームの設置が必要である。
イ 屋外活動施設(運動広場、自然体験広場、工作学習棟等)は、利用する障害者の障害の種類および程度等を考慮し、活動しやすいスペースを確保することが望ましい。また、屋外集会施設は、現地での生活領域あるいは動線との関連に配慮して配置されていることが望ましい。
ウ 各室・空間は、障害者がその能力を最大限活用して、自主的、自発的に学習や生活ができるよう配慮することが望ましい。また、多様な移動方法と各種の補助用具の使用を考慮し必要な規模が確保されていることが必要である。また、活動内容、活動方法や一人ひとりの障害の状態や特性、発達段階などにふさわしい空間で、かつ、指導者が指導・介助のしやすい環境を構成できるよう面積・形状等が配慮されてることが必要である。
エ スロープや昇降機は、利用目的に応じて必要な位置に階段との位置関係に留意して配置すること。スロープについては、安全な斜度、十分な幅、始終点前面および踊り場の余裕などを確保できるようにする必要がある。昇降機については、その運送能力、利用状況等に応じ、必要な規模のホール等の空間を配置することが必要である。
オ 心身の発達段階に応じ日常生活に配慮を要する障害者の利用する宿泊室については、トイレ、シャワー室、更衣スペース等と一体的にまたは隣接して配置されることが望ましい。
カ 食堂は、車椅子やストレッチャー一を使用しての食事、抱かれての食事、特殊な補助用具をつけての食事等を考慮して設置されることが望ましい。
キ 浴槽、温水シャワー等の洗浄設備を設置する空間は、着替えのためのスペースの確保や車椅子での利用などに配慮しつつ、利用状況に応じ適切な規模を確保することが必要である。
ク 聴覚障害者に対する情報伝達を正確に行うために、各室および廊下等に視覚表示装置を設置する必要がある。
ケ 各種障害の特性を配慮した、良好な音響的環境が確保されていること。
■おわりに
心身障害者の学校外活動を活発化していく上では、身近な場所における日常的な活動の促進はもちろん重要であるが、とりわけ青少年教育施設における体験や活動に期待するところが大きい。これらの施設の多くは自然環境の豊かな場所に位置し、こうした環境の中で、心身障害者が宿泊しながら多様な体験をすることは、日ごろの身近な場所では味わうことのできない大きな感動を得ることができ、心と生活にうるおいを与えるからである。全ての障害者が利用できるような、魅力ある施設になるよう、一歩一歩前進されることを期待する。
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